足首をひねったときは?捻挫の受診の目安と過ごし方
段差を踏み外したり、運動中に足首をひねったりして、足首が腫れて痛む。そのようなとき、「ただの捻挫」として様子を見てよいのか迷うことがあります。
足首をひねったあとの痛みが捻挫なのか骨折なのかは、見た目や痛みの強さだけでは区別できません。足首の形が変わっている、足に体重をかけられない、足の感覚がおかしい、足が冷たい・青っぽいといったときは、捻挫と決めつけず、すぐに救急外来を含む医療機関を受診してください。重いけがが疑われて歩けない場合、重大なけがが複数疑われる場合、交通事故や転落などで強い衝撃を受けた場合は、救急車(119番)を呼んでください。痛む足で無理に歩いて、けがの程度を確かめることはしないでください。
お子さんは、骨の成長する部分(成長板)を傷めることがあり、痛みを言葉でうまく説明できないこともあります。大人より早めに受診を考えてください。
この記事では、受診を急ぐサイン、捻挫と骨折の違い、お子さんで注意したい点、受診するまでと痛む間の過ごし方、当院に相談する場合を順に整理します。一般的な情報をまとめたもので、診断ではありません。けがの状態の判断は、医療機関で行われます。
先に確認したい:受診を急ぐサイン
足首をひねったあとに受診を急ぐかどうかは、けがのしかたや、ほかの症状によって変わります。日本整形外科学会、MSDマニュアル(医学専門資料)、消防庁、千葉県の資料をもとに、次のように分けて示します。ここに挙げたのはすべてではありません。当てはまらなくても不安なときや、いつもと違うと感じるときは、医療機関に相談してください。
- 119番(救急車):交通事故や転落・転倒で強い衝撃を受けた、高いところから落ちた、大量の出血を伴うけががある場合。重いけがが疑われて歩けない場合、重大なけがが複数疑われる場合
- すぐに医療機関を受診(夜間・休日も):足首の形が変わっている、足に体重をかけられない、足の感覚がない・動かせない・冷たい・青っぽい、関節がぐらぐらする、痛みがけがの程度に比べて強い・だんだん強くなる場合
- 早めに整形外科で確認:強い腫れや内出血がある、ひねったときに「パチン」などの音がした、骨折や重いけがとは思えないが心配な場合
救急車(119番)を呼ぶとき
消防庁の資料「救急車を上手に使いましょう」は、交通事故や転落・転倒で強い衝撃を受けたとき、高いところから落ちたとき、大量の出血を伴うけがを、救急車を呼ぶ目安に挙げています。15歳以下のお子さんでは、頭を強くぶつけて出血が止まらない、意識がない、けいれんがある場合も挙げられています。
MSDマニュアル家庭版は、重度の損傷を負ったと思ったときは救急医療機関を受診するよう示したうえで、歩けない場合や複数の損傷を受けている場合は、救急車を呼ぶ必要があるとしています。足首のけがでいえば、骨折や重い捻挫などの重いけがが疑われて歩けない場合や、足首以外も含めて重大なけがが複数疑われる場合です。歩きにくいというだけで、または軽いけがが複数あるだけで、一律に救急車を呼ぶという意味ではありません。
これらに当てはまる場合は、相談窓口に先に電話をかけず、119番に連絡してください。
すぐに医療機関を受診したいとき(夜間・休日も)
MSDマニュアル家庭版は、次のような場合は救急医療機関を受診するのが望ましく、場合によっては救急車を呼ぶのがよいとしています。足首のけがに関係するものを挙げます。
- 骨折が疑われる(足首の形が変わっているなど)
- 重い捻挫や脱臼が疑われる(関節がぐらぐらする感じがある)
- 足に体重をかけられない
- 足の感覚がない、正常に動かせない、皮膚が冷たい、色が青っぽい、力が入らない
また、MSDマニュアル家庭版は、けがの程度から想定される以上に痛みが強い場合や、けがのあと数時間にわたって痛みが次第に強くなる場合は、血流が妨げられているなどの可能性があるとしています。
足の感覚の異常、足の冷たさや色の変化、足首の強い変形は、急いで診てもらう必要がある症状です。夜間・休日でも、緊急性の高い症状がある場合は、救急外来を受け付けている医療機関への受診を優先してください。ただし、救急車が必要な状況では、119番を優先してください。救急車を呼ぶかどうか迷うときは、下の「迷ったときの相談先」に相談できますが、明らかに緊急と感じるときは、相談より119番を優先してください。
早めに整形外科で確認したいとき
上のような症状がなくても、強い腫れや内出血がある場合は、捻挫と決めつけず、整形外科で確認してもらってください。MSDマニュアル家庭版は、中等度の足首の捻挫では、腫れやあざがみられることが多く、歩くと痛んで歩きにくくなるとしています。また、けがをしたときに「パチン」や「ポンッ」などの音がした場合は、靱帯や腱の損傷、または骨折が起きている可能性があるとしています。
MSDマニュアル家庭版は、痛みや腫れはあっても、骨折や重いけがとは思えない場合には、医師に電話で相談するとよいとしています。心配なときは、整形外科などの医療機関に相談してください。
迷ったときの相談先
大人の方で、医療機関を受診するか、救急車を呼ぶか迷うときは、千葉県の救急安心電話相談(#7119)が利用できます。24時間365日対応しています。電話によるアドバイスで、診断や治療はできません。
千葉県は、小児の相談には、こども急病電話相談(#8000)の利用を案内しています。お子さんが急に具合が悪くなったときや、受診が必要か迷ったときに相談でき、看護師が対応します。受付時間は、月曜から土曜が午後7時から翌朝8時まで、日曜・祝日が午前8時から翌朝8時までです。こちらも電話によるアドバイスで、診断や治療はできません。
前の「救急車(119番)を呼ぶとき」に当てはまる場合や、明らかに緊急と感じる場合は、相談窓口に先に電話をかけず、119番を優先してください。
捻挫か骨折か:見た目や痛みの強さでは区別できない
足首の捻挫で起きていること
MSDマニュアル家庭版によると、足首の捻挫は、足首を正しい位置に保つ靱帯が切れた状態で、多くは平らでない地面を歩いたり走ったりしているときに、足を内側にひねって起こります。靱帯が伸びて小さく切れる軽いものから、部分的に切れるもの、完全に切れるものまであり、足首の腫れ、歩くと強くなる痛み、あざがみられることがあります。
骨折や軟骨のけがが隠れていることがある
日本整形外科学会は、足首に強い力が加わると、靱帯の損傷や骨折が起こり、両方が組み合わさることもあると説明しています。足首の骨折では、痛み、腫れ、皮下出血のほか、足首が変形することや、体重をかけて歩くことが難しくなることがあります。MSDマニュアル家庭版も、足首をひねったときに、骨の端の軟骨が折れることがあるとしています。
日本整形外科学会は、痛みを感じにくい靱帯もあるため、あまり痛くないから大丈夫と考えてはいけないとしています。MSDマニュアル家庭版も、けがをした部分を動かすことができても、損傷がないとは言い切れないとしています。
当院でも、足首は剥離骨折などが起こることのある部位と考えています。見た目や痛みの強さだけで、捻挫か骨折かをご自身で判断しないでください。
医療機関で確かめること
MSDマニュアル家庭版によると、医師は、どのようにけがをしたかを尋ね、足首をやさしく触りながら痛みが最も強い場所を確かめます。骨の上を触って痛む場合は骨折が疑われるなど、診察や、体重を支えられるかどうかなどから、X線検査が必要かどうかを判断します。すべての足首の捻挫に、X線検査が必要なわけではありません。
X線検査では骨の状態を確認できますが、靱帯、腱、筋肉の損傷は写りません。腫れや痛みが強くて診察が難しいときは、副子で固定して数日後に改めて調べることがあり、しばらく手当てを続けても痛みが続く場合には、MRI検査で確認することもあるとされています。
こうした確認は医療機関で行われるものです。痛む足で歩けるかどうかを、ご自身で無理に試す必要はありません。
お子さんが足首をひねったときに大人と違う注意点
骨の成長する部分(成長板)を傷めることがある
子どもや10代の骨には、骨が伸びるための軟骨の部分(成長板)があります。MSDマニュアル家庭版は、軟骨は骨より弱いため、成長板は特に骨折しやすく、成長板の骨折は子どもと青年でのみ起こるとしています。成長板の骨折では、その周りの痛み(特に触れたときの強い痛み)、腫れや熱、足を動かしにくい、体重をかけにくいといった症状がみられます。骨の成長が止まったり、骨がねじれて成長したりすることがあるとされています。
「大丈夫」「動かせる」だけで判断しない
MSDマニュアル家庭版は、何が問題なのかを話したり説明したりできない幼いお子さんでは、けがをしていても、その部分を動かすのを嫌がること以外に、はっきりした様子がみられない場合があるとしています。動かせていても、損傷がないとは限りません。
MSDマニュアル家庭版は、成長板の骨折が疑われる症状がみられる場合は、医師の診察を受けるか、救急医療機関を受診するとしています。お子さんが足を使いたがらない、触ると痛がる、腫れているといったときは、本人が「大丈夫」と言っても、早めに医療機関に相談してください。前の「受診を急ぐサイン」に当てはまる場合は、そちらに従ってください。
レントゲンで見つからない骨折もある
MSDマニュアル家庭版によると、特定の種類の成長板の骨折は、X線検査で見つからないことがあります。そのため、骨折しているものとみなしてギプスや副子で固定し、数日たってから再検査をすることがあるとされています。
レントゲンで異常がなかったからといって、必ず大丈夫とは言い切れません。痛みや腫れが続く、足を使いたがらない状態が続くといったときは、受診した医療機関に改めて相談してください。すべてのお子さんにX線検査が必要という意味ではなく、検査が必要かどうかは医師が判断します。
受診するまでと、痛む間の過ごし方
ここからは、前の「先に確認したい:受診を急ぐサイン」に当てはまらない場合や、受診するまでの間の過ごし方です。重いけがが疑われるときは、ここに書いた手当てより、受診を優先してください。
無理に歩いたり動かしたりしない
MSDマニュアル家庭版は、けがをした足首を使って歩かないようにし、必要な場合は松葉づえを使うことを勧めています。痛む足で歩いて、けがの程度を確かめることはしないでください。
冷やす・心臓より高く上げる(目安)
MSDマニュアル家庭版は、捻挫などのけがの手当てとして、保護・安静・冷却・圧迫・挙上(それぞれの英語の頭文字をとって「PRICE」)を挙げています。目安として、次のように示されています。
- 保護:副子などで患部を守り、けがの悪化を防ぐ
- 冷却:ビニール袋に入れるか、タオルや布で包んだ氷を、1回15〜20分あてる。最初の24〜48時間は、できるだけ頻繁に冷やす
- 圧迫:通常は弾性包帯で圧迫する
- 挙上:最初の2日間は、けがをした脚を心臓より高く上げておく
これらは一般的な目安で、すべての方に同じように当てはまる決まりではありません。手当ての途中で、痛みや腫れが強くなる、足の感覚がおかしい、皮膚の色が変わるといった変化があれば、手当てを続けず、前の「すぐに医療機関を受診したいとき」を確認してください。
温めることについて
MSDマニュアル家庭版は、48時間が過ぎたら、1回15〜20分、患部を温める方法を示しています。一方で、温めることや冷やすことが常によいかは明らかになっておらず、どのような処置が最適かは人によって異なる可能性があるともしています。冷やすか温めるかで迷うときは、医療機関に相談してください。
薬について
痛み止めや湿布などの薬の使い方は、医師や薬剤師に相談してください。この記事では、薬の使用は勧めていません。すでに服用している薬がある場合は、自己判断でやめたり量を変えたりせず、処方した医師や薬剤師の指示に従ってください。
手当てをやめて受診する目安
次のようなときは、ご自身での手当てを続けず、医療機関を受診してください。前の「先に確認したい:受診を急ぐサイン」に当てはまる場合は、そちらに従ってください。
- 痛みや腫れが強くなる
- 足の感覚がおかしい、冷たい、色が変わってきた
- 足に体重をかけられない
- お子さんが足を使いたがらない、痛がり続ける
- 痛みや腫れが良くならない、長引く
医療機関で「骨に異常はない」と言われたあとでも、痛みが和らいでいかないときや、状態が変わってきたときは、もう一度受診して相談してください。前の「医療機関で確かめること」のとおり、X線検査では靱帯などの損傷は写らず、手当てを続けても痛みが続く場合には、ほかの検査で確認することもあります。
当院に相談する場合
前の「先に確認したい:受診を急ぐサイン」に当てはまる場合や、強い腫れや内出血、骨折の可能性がある場合は、当院への相談より先に、救急車(119番)や医療機関の受診を優先してください。
当院では、大人とお子さんの足首の捻挫のご相談に対応し、施術を行っています。

先に医療機関で確認していただく場合
強い腫れや内出血、骨折の可能性がある場合は、医療機関での診察や画像検査などを優先していただいています。医療機関で確認していただいたうえで、お身体の状態に応じて、当院で施術を行うかどうかを判断しています。当院では、骨折の診断や画像検査は行っていません。
医療機関で異常がないと説明された場合でも、痛みが軽くならないときや、その後に状態が変わってきたときは、再受診や、別の医療機関での確認をご提案することがあります。医療機関の検査でも、すべての損傷がわかるとは限らないためです。
大人の方の施術
大人の方の足首の捻挫では、状態に応じて指圧と鍼を使い分け、超音波治療器を使うこともあります。施術を行うかどうか、どの方法を使うかは、お身体の状態を確認したうえで判断します。施術の方法や効果、回復までの期間を、一律にお約束するものではありません。
お子さんの施術
お子さんの足首の捻挫についても、施術の経験があります。強い腫れや内出血がなくても、まずお身体の状態を確認し、そのうえで、当院で施術を行うか、先に医療機関の受診をお勧めするかを判断します。
施術は、年齢や状態に応じて指圧と鍼を使い分けます。指圧と鍼を必ず両方行うわけではありません。また、当院では、成長期のお子さんには超音波治療器を使用していません。
初回の流れ
初回は、予診表にご記入いただき、その内容をもとにお話を伺ったうえで、施術前の検査を行います。施術のあとは、施術前の検査と比べて一緒に確認し、日常生活での注意点をお伝えします。
施術による改善が難しいと判断した場合は、その旨をご説明し、施術を行わないことがあります。通院の頻度や回数は、一律にはご案内していません。施術のあとに状態を確認して、ご提案します。
詳しい流れは施術の流れをご覧ください。料金は料金案内に、野田市にある当院へのアクセスはアクセスに、ご予約の方法はご予約のページにまとめています。
この記事を書いた人:すまいる鍼灸整骨院 院長 上床
参考にした資料
各資料の内容は、2026年10月21日に確認しました。この記事の「119番」「すぐに医療機関を受診」「早めに整形外科で確認」などの区分は、これらの資料の記載をもとに、この記事で整理したものです。資料がこの区分で示しているわけではありません。
